コーヒーを創る気持ち |
来年も宜しくお願いいたします。
今回はカワンルマーの考えていることをお話しいたします。
カワンルマーは3年前に株式会社になりました。古くからのお客様にとってはあんまり嬉しく無い事でしょう。せっかくの特別なコーヒーが会社が大きくなるにつれて美味しく無くなるかも知れないと思われているからです。確かに今のままが生活も不自由なく気楽なのはたしかです。事実3年前まではそれで良いと思っていました。
ではなぜかと言うと私には特別な思いがあるからです。
カワンルマーのお客様は北海道から沖縄まで気づいたらいつの間にか数千の方々からご注文頂いています。大変有り難い事ですが、よく考えて見ればお客様にとって、もし近い所で美味しいお店があればそこで購入するのが普通では無いでしょうか。
最近どこの喫茶店に行っても美味しいコーヒーがの飲めなくなっています。自家焙煎のコーヒー屋さんも全国に1万件とも2万件とも言われていますが、レベルが低すぎます。
修行もなしで講習会を数回受講し、3ヶ月後にはお店を出し自家焙煎だから新鮮で美味しいとか製造直売で安いとかいってインターネットでよく見かけます。そう言うのに限ってろくなコーヒーを創っていません。
もう少し自家焙煎のレベルを上げたいと言う気持ちで、いま焙煎技術の本を書いていますが、参考にと思って自家焙煎の本があったので買って読みましたが、なんと焙煎の専門家が書いた本で無く、内容もずいぶんとでたらめで言葉も出ません 。その著者達は自家焙煎でこうやれば儲かるといって、本をだしセミナーを開き大もうけしているのです。中にはこの生豆を使えば美味しいといって高い値段で販売しているのです。
商売上手といえばそれまでですが売る方も買う方も私にとってはコーヒーを侮辱しているとしか思えないのです。そうでしょう、僅か3ヶ月でフレンチのお店をオープンする人なんていないし、こうすればフレンチで儲かると言う本を出したりセミナーを開く人もいないでしょう。
たいていの人は3年もして安定期に入ると専門家になったつもりで、そこで焙煎の修練や努力する事への情熱を失い今度はどうやって儲けようかと考えているんです。
他の専門職と比べてコーヒー創りに対して愛情や志を持つ人がいかに少ないことか。
コーヒー創りは、たゆまぬ修練の積み重ねによって本当の奥深い味覚の世界へとたどり着き、そこにはたとえようのない喜びが待っています。もちろんビジネスとしても成功します。コーヒーの焙煎はその人の心・人格・人生までも映し出してしまいます。コーヒー創りはそれだけ素晴らしく魅力的なのだと言うことを一人でも多くの人に感じてもらうことでこの業界を変えることが出来るのでは無いでしょうか。
その思いで今私は孤軍奮闘しているのです。だから今まで断っていた雑誌やテレビの取材も受けています。もう少し会社を大きくして軽井沢に自家焙煎の教室を開き、一般の方々にも体験してもらい、志の高い人には弟子として一人前に育て上げるのです。コーヒー教室も開いて誰でも美味しく淹れる事が出来るようにします。業界の人も一般の人もすべて引き受けます。
私にとってこれはライフワークとなり最高に楽しいチャレンジとなりそうです。
もちろん今まで以上に美味しいコーヒーを創ることへの努力も怠りません。生産地のコネクションや栽培支援の目途ももうすぐ実現しそうです。
幸いに私のお客様や友人は素晴らしい方ばかりで、皆さまのおかげでここまでこれたと思っています。日本中どこに行っても当たり前の様に美味しいコーヒーが飲める位になれば、なんと素晴らしいことでしょう。
コーヒーに愛を・皆さまにも愛を・私にも愛を。愛なくしては何も生まれません。