自問自答の日々 |
焙煎を教えるのにどこまでやればいいのか、どう教えると解ってもらえるのか。
手取り足取りだと本人の努力を妨げるし。
いつもいつもどう教えれば効率よく指導できるのか考えています。
今は、少しアドバイスして出来るだけ自分でやってもらって、ある程度の事が解るようになったら、またアドバイスをするようにしています。その方が時間はかかるけど一歩ずつ確実に進歩していきます。努力している姿を付かず離れずそっと見守り、何かにつまずいたときにお尻を少し押して上げるのが良いと思う。
頑張っている姿を見ていると、早く売上を上げる為のアドバイスやお節介をしたくてうずうずしてきます。でもやりすぎると本人の為にもならないので、やっぱり程々のアドバイスでモチベーションを上げる事に留め後は本人の努力を見守るようにしています。過保護は本人をダメにしてしまいます。
あれ〜。子育てではありません。
焙煎での悩みの多くは、火加減の問題、ダンパーの問題、そしてその相関関係と熱力学。
ここでつまずいてしまうとどうしようもない。
ここが解ってくると焙煎機の構造上の熱効率と個々の特性を考えなければならない。
焙煎機の種類が変われば特性も変わるからだ。
直火だとドラムの穴の大きさによる吸気の違い。
ドラムの吸気温度の意味。
鉄板の厚さによる熱の吸収、拡散の違いとバーナーの種類との相関関係。
ドラムには熱を吸い込むが冷気も吸い込んでいる、そのことの意味。
釜熱の恐ろしさ、それは少量焙煎や連続焙煎にどう影響するか。
味の悩みは・・・
渋みはどうすれば無くなるのか。
甘味が出ない、こくが出ない、旨味が出ない、香りが出ないのはなぜ。
これは、個々の焙煎機で原因が変わってくる。
カロリー不足、冷気の吸入量が多い、熱源が近いもしくは配置が悪い、ドラムの鉄板が薄い、ドラムへの吸入温度が低い、排気風量が不適切などケースバイケースで複数の場合が多い。
焙煎機の構造自体の問題のが大きい場合はどうしようもない。改造するしかないのである。
これらの問題は一辺に教えることは不可能に近い。
最初に指導を受ける人はまずこれらのことが解らないのではなくて、何が解らないのかが解らないのです。まず、何も解ってなかったと言うことを解ってもらうことからがスタートなのです。
教えるって本当に大変ですが、でも喜びも大きいです。
だれだ、焙煎は簡単だと言ったのは。お仕置きするぞ〜。